🏠 » シェフレピマガジン » 知って楽しむ料理事典 » デザート・スイーツ » エッグタルトとは?ポルトガル発祥の焼き菓子が世界を旅した物語

エッグタルトとは?ポルトガル発祥の焼き菓子が世界を旅した物語

この記事を読むのに必要な時間は約 5 分です。

はじめに

エッグタルトは、サクサクのパイ生地ととろりとしたカスタードクリームが特徴の焼き菓子です。ポルトガルで生まれ、マカオを経由して日本を含む世界各地に広まりました。甘くてクリーミーな味わいと、焼きたて特有の香りが魅力ですね。
専門店では焼きたてを提供することで、他店との差別化を図っているお店も多いようです。サクサク食感、なめらかなクリーム、そして甘い香りが引き立つ焼きたてのエッグタルトは、一度味わうと忘れられない美味しさです。
初めて焼きたてのエッグタルトを口にしたとき、パイ生地の”サクッ”という軽快な音と、その後に広がるクリームの濃厚な甘さに驚いたことを覚えています。温かいうちにいただくのが一番美味しいと実感しましたね。

ポルトガルの修道院で生まれた小さな奇跡

エッグタルトの起源は、18世紀のポルトガルに遡ります。リスボンのベレン地区にあるMosteiro dos Jerónimos(モステイロ・ドス・ジェロニモス)で誕生したとされています。200年以上の歴史を持つこの焼き菓子には、興味深い背景があるのですね。
当時、修道院では卵白が衣類の糊付けや清澄剤として使われていました。その結果、大量の卵黄が余ることになります。捨てるには惜しい貴重な食材を活用しようと、修道士たちが卵黄を使った菓子作りを始めたのが始まりとされています。
「もったいない」という想いが、後の世界的人気スイーツを生むことになるとは、当時の修道士たちは想像もしていなかったでしょう。

サクサクととろける絶妙なハーモニー

エッグタルトの最大の特徴は、なんと言っても食感のコントラストです。クリスピーなパイ生地と、滑らかなカスタードクリームが口の中で絶妙なバランスを奏でます。
パイ生地は何層にも重ねて焼き上げることで、独特の軽さとサクサク感を生み出します。一方、フィリング(中身)は卵黄、砂糖、牛乳などを混ぜたカスタードで、焼くとプリンのようななめらかな食感になります。
焼きたてのエッグタルトは、サクサク食感、とろりとしたクリームのなめらかさに加え、甘い香りも引き立つのが魅力です。温かいうちにいただくと、クリームがより一層濃厚に感じられますね。

ポルトガルからマカオ、香港へ、そして世界へ

エッグタルトはポルトガル発祥の菓子ですが、その後マカオを経由して日本に紹介され、広く親しまれるようになりました。マカオはかつてポルトガルの植民地だったため、ポルトガルの食文化が根付いていたのですね。

現在では、ポルトガル風、マカオ風、香港風の3つのスタイルが代表的です。ポルトガル風は「パステル・デ・ナタ(Pastel de Nata)」とも呼ばれ、パイ生地がよりサクサクで、表面にクレームブリュレのような焦げ目がついているのが特徴です。

マカオ風は、ポルトガルのパステル・デ・ナタの要素を色濃く受け継いでいます。パイ生地が主流で、バターを使って作られます。表面の焦げ目もポルトガル風と同様に特徴的ですね。

一方、香港風はクッキー生地もしくはパイ生地が使われます。伝統的にはラードを使って生地を作るのが特徴で、これは1920年代にバターが高価だったため、身近なラードを使用していた名残だと言われています。見た目はなめらかで光沢があり、たまごの風味が強く濃厚な味わいで、甘さは控えめなのが特徴です。

それぞれが異なる魅力を持っているのです。

基本の材料と作り方のポイント

エッグタルトの基本材料は意外とシンプルです。パイ生地にはバター、砂糖、薄力粉、卵などを使用します。フィリングには卵、砂糖、牛乳(または水)が主な材料です。
家庭で作る場合、パイ生地を一から作ると手間がかかりますが、冷凍パイシートを活用すれば手軽に楽しめます。フィリングは卵黄をメインに、砂糖と牛乳を加えて混ぜるだけ。シンプルだからこそ、材料の品質や焼き加減が味を左右しますね。
滑らかな食感を出すには、フィリングをしっかりと漉すのがポイントです。また、焼き温度と時間を調整することで、表面の焦げ目と中のなめらかさのバランスを取ることができます。

焼きたての魅力を最大限に引き出すには

エッグタルトは焼きたてが一番美味しい、と言われることが多いですね。専門店でも、焼きたてを販売することで集客を安定させているお店があります。
焼きたてのメリットは、サクサク食感となめらかなクリーム、そして甘い香りが引き立つこと。温かいうちにいただくと、パイ生地の軽さとクリームの濃厚さが口の中で広がります。
家庭で作る場合は、オーブンから出して少し冷ましてから食べるのがおすすめ。少し冷めることで味が落ち着き、より一層美味しく感じられます。

進化し続けるエッグタルトの世界

近年では、エッグタルトのバリエーションが数多く存在し、日本でも独自の進化を遂げています。クリームチーズタルトや、チョコレートタルト、抹茶タルトなど、和の要素を取り入れたアレンジも登場しました。本場ではツバメの巣入りのエッグタルトという贅沢なバリエーションも存在するそうです。
伝統を守りながらも、新しい味への挑戦が続いているのは興味深いですね。

まとめ

エッグタルトは、ポルトガルの修道院で生まれた焼き菓子が、マカオを経て日本を含む世界各地に広まったスイーツです。サクサクのパイ生地ととろりとしたカスタードクリームの食感のコントラストが魅力。焼きたての香りと温かさは、一度味わうと忘れられない美味しさです。
ポルトガル風、マカオ風、香港風の違いや、様々なバリエーションが存在する点も面白いですね。伝統的な味を守りながらも、現代の食のシーンに合わせて進化し続けている点は、この焼き菓子の懐の深さを感じさせます。
専門店で焼きたてを味わうのも良し、家庭で手作りに挑戦するのも良し。エッグタルトの魅力を、ぜひ自分なりのスタイルで楽しんでみてください。

🏠 » シェフレピマガジン » 知って楽しむ料理事典 » デザート・スイーツ » エッグタルトとは?ポルトガル発祥の焼き菓子が世界を旅した物語