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はじめに
きのこのマリネは、作り置きおかずの定番として多くの家庭で愛されている一品です。さまざまな種類のきのこを手軽に調理でき、冷蔵庫で数日間保存できることから、忙しい現代人の強い味方となっています。本記事では、基本的な作り方から和風・洋風のアレンジ、保存方法まで、きのこのマリネの魅力を余すところなくお伝えします。
シンプルで奥深い、きのこのマリネの世界
きのこのマリネとは、数種類のきのこを炒めた後、酢やオイルをベースとしたマリネ液に漬け込んだ料理です。フランス料理の「マリネ」という調理法を日本の食卓に取り入れたもので、現在では和風・洋風さまざまなバリエーションが楽しまれています。
基本的には、しめじ、えのき、エリンギ、舞茸、椎茸などのきのこを使い、オリーブオイルと酢、塩こしょうでシンプルに味付けします。これだけでも十分美味しいのですが、にんにくやハーブを加えたり、和風だしや醤油を使ったりすることで、まったく違う表情を見せてくれるのが面白いところですね。
冷蔵庫で数日間保存でき、時間が経つほど味がなじんで美味しくなるという特徴も。まさに作り置きおかずの優等生と言えるでしょう。
マリネ調理法の歴史と日本での発展
マリネという調理法は、もともとヨーロッパで肉や魚を保存するために生まれた技法です。酢やワインなどの酸性の液体に食材を漬け込むことで、保存性を高めると同時に、風味を豊かにする効果があります。
日本にマリネが伝わったのは明治時代以降と考えられていますが、きのこを使ったマリネが家庭料理として定着したのは、洋食文化が広く浸透してからのことでしょう。イタリア料理やフランス料理が身近になるにつれて、きのこを使ったマリネも注目されるようになったと考えられます。
興味深いのは、日本では独自の進化を遂げている点です。醤油やみりん、だしを使った「和風マリネ」は、まさに日本ならではの創作料理。伝統的な西洋の技法に、日本の調味料を組み合わせることで、新しい味わいが生まれたのです。
きのこマリネが愛される3つの理由
きのこのマリネが多くの人に愛される理由は、大きく3つあります。
まず第一に、その手軽さ。基本的な材料はきのこと調味料だけで、特別な道具も必要ありません。フライパンひとつあれば、誰でも簡単に作ることができます。
第二に、保存性の高さ。適切に調理すれば冷蔵庫で1週間ほど保存でき、むしろ時間が経つほど味がなじんで美味しくなります。週末にまとめて作っておけば、平日の食卓を豊かにしてくれる心強い味方になってくれるでしょう。
そして第三に、アレンジの幅広さ。基本のレシピをマスターすれば、和風にも洋風にも、さらにはエスニック風にもアレンジ可能。飽きることなく楽しめるのが大きな魅力です。
地域や家庭で異なる、きのこマリネのバリエーション
日本各地、そして各家庭で、きのこのマリネにはさまざまなバリエーションが存在します。
醤油ベースの和風マリネでは、かつおだしを効かせ、みりんでまろやかさを加えた味付けが人気です。ご飯のお供にぴったりで、お弁当のおかずとしても重宝されています。家庭によっては、少し甘めに仕上げたり、唐辛子でピリッとアクセントをつけたりと、それぞれの好みが反映されているようです。
洋風のアレンジでは、バルサミコ酢を使ったイタリアン風が定番。にんにくとローズマリーを効かせれば、本格的な前菜に早変わりします。最近では、レモン汁を加えてさっぱりと仕上げたり、粒マスタードでアクセントをつけたりする家庭も増えているようです。
基本材料と、それぞれの役割
きのこのマリネに使う基本的な材料と、それぞれの役割を見ていきましょう。
きのこ類
主役となるきのこは、2〜4種類を組み合わせるのがおすすめ。しめじは歯ごたえがよく、えのきは繊細な食感、エリンギはコリコリとした食感、舞茸は香りが豊か、椎茸は旨味たっぷり。それぞれの特徴を活かして組み合わせることで、食感と味わいに深みが生まれます。
マリネ液の材料
- オリーブオイル:きのこをコーティングし、風味を豊かにする
- 酢(米酢、ワインビネガー、バルサミコ酢など):保存性を高め、さっぱりとした味わいを加える
- 塩・こしょう:基本の味付け
- にんにく:風味のアクセント
- ハーブ類(パセリ、バジル、タイム、ローズマリーなど):香りづけ
和風にする場合は、醤油、みりん、だしの素などを加えます。これらの調味料のバランスが、美味しさの決め手となるんです。
プロが教える、失敗しない調理のコツ
きのこのマリネを美味しく作るには、いくつかのコツがあります。
最も重要なのは、きのこの水分をしっかり飛ばすこと。きのこは水分を多く含んでいるため、弱火でじっくり炒めると水っぽくなってしまいます。強火で一気に炒めることで、余分な水分を飛ばし、旨味を凝縮させることができるのです。
また、きのこを炒める際は、あまり動かさないことも大切。フライパンに入れたら、しばらくそのままにして焼き色をつけてから裏返す。これによって香ばしさが加わり、食感もよくなります。
マリネ液は、きのこが熱いうちに加えるのがポイント。熱いきのこにマリネ液を加えることで、味がよく染み込みます。ただし、保存容器に移す際は、粗熱を取ってから冷蔵庫に入れましょう。

保存方法と選び方のポイント
きのこのマリネは、適切に調理・保存すれば冷蔵庫で1週間程度は美味しく食べられます。保存のポイントは、清潔な容器を使うこと。ガラスやホーロー、プラスチックの密閉容器がおすすめです。
保存中は、きのこがマリネ液にしっかり浸かっているか確認しましょう。空気に触れている部分から傷みやすくなるため、時々容器を振って全体になじませると良いでしょう。
冷凍保存も可能ですが、解凍後は食感が少し変わることがあります。それでも十分美味しく食べられますし、パスタソースなどに活用すれば、食感の変化も気になりません。
きのこを選ぶ際は、新鮮さが何より大切。かさが開きすぎていないもの、軸がしっかりしているもの、変色していないものを選びましょう。特に舞茸は傷みやすいので、購入したらすぐに調理するのがおすすめです。
まとめ
きのこのマリネは、シンプルながら奥深い料理です。基本の作り方をマスターすれば、和風・洋風さまざまなアレンジが楽しめ、食卓を豊かにしてくれる一品となります。
作り置きおかずとしての実用性はもちろん、前菜やおつまみ、お弁当の一品としても活躍してくれるきのこのマリネ。ぜひ、お好みのきのこと調味料で、あなただけのオリジナルレシピを見つけてみてください。
きのこの旨味とマリネ液の酸味が絶妙にマッチしたこの料理は、一度作れば必ずリピートしたくなるはず。週末の作り置きタイムに、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。
さいごに
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