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コールラビとは?カブに似た球茎野菜の魅力と活用法

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はじめに

コールラビ。この名前を聞いて、すぐにどんな野菜か思い浮かぶ方は、まだ少ないかもしれません。カブのような丸い形をしているのに、そこからにょきにょきと茎や葉が伸びる、なんともユニークな姿をした野菜です。

地中海北部を原産とするアブラナ科の野菜で、キャベツやブロッコリーの仲間に分類されます。ドイツ語で「キャベツ(Kohl)」と「カブ(Rabi)」を組み合わせた名前が示すように、まさに両者の特徴を併せ持った存在と言えるでしょう。日本では明治初期に導入されたものの、当時は食べ方が知られず普及しませんでした。しかし近年、西洋野菜や中国野菜への関心の高まりとともに、再び注目を集めています。

球茎が特徴的な西洋野菜の正体

コールラビは、地際の茎が球状に肥大するという独特の成長をする野菜です。この肥大した部分を「球茎」と呼び、直径5〜10センチメートル程度の偏球形になります。見た目はカブそっくりですが、実は根ではなく茎が太ったもの。ここが大きな違いですね。

球茎の表面には蝋物質が多く、緑色系と紫色系の2種類があります。緑色種は「グリーンコールラビ」、紫色種は「パープルコールラビ」と呼ばれ、どちらも中身は白色でやわらかい肉質をしています。球茎の上部や側部からは、小型の卵形をした薄い葉が長い葉柄とともに直接生えてきます。この葉が球茎からまばらに伸びる様子が、コールラビの最大の視覚的特徴と言えるでしょう。

味わいは、カブとキャベツを合わせたようなクセのない淡泊な風味。歯ごたえがあって生でも食べられますが、加熱するとほのかにカブのような甘味が増します。ブロッコリーの茎に似た味わいだと表現されることも多く、じゃがいもに似た食感も持ち合わせています。

収穫の適期は直径5〜7センチメートル程度で、大きくなりすぎるとかたくなってしまうため、早めの収穫が推奨されます。ただし、「ギガント」という品種では10センチメートル以上の大きさでも良い食感を保つそうです。

地中海から世界へ広がった歴史

コールラビの原産地は地中海北部沿岸とされています。祖先植物はキャベツと同様に、ケールに似た不結球性の植物で、マローステムケールから改良されたものと考えられています。つまり、キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、ケール、芽キャベツなどと同じく、野生キャベツから人為的な選択によって作り出された野菜なのです。

古代ギリシアの記録に登場する「コリントのカブ」がコールラビではないかと考えられていますが、詳細は明らかになっていません。確実な記録としては、中世の1558年にギリシアからイタリアとドイツに導入され、1683年にイギリス、1806年ごろにアメリカに伝わったとされています。

ドイツやインドでは広く普及し、食用野菜として定着しました。一方、イギリスでは主に家畜の飼料用として栽培されることが多かったようです。1850年ごろになると家庭菜園でも栽培されるようになり、霜や乾燥に強いことから茎葉を食べる習慣も生まれました。

中国では古くから栽培が行われ、華北から華南まで広く栽培されるようになりました。特に中国北方の寒冷地では重要な野菜の一つとなっています。

日本へは明治初期に導入され、カブカンラン(蕪甘藍)、キュウケイカンラン(球茎甘藍)、カブタマナ(蕪玉菜)など、さまざまな名で呼ばれました。しかし当時は食べ方が知られておらず、あまり普及することはありませんでした。近年になって中国野菜や西洋野菜として再導入され、ようやく一般に知られるようになったのです。

栽培しやすく家庭菜園にも最適

コールラビは、キャベツと同様に冷涼な気候を好む野菜です。栽培適温は15〜25度とされ、高温や乾燥を嫌いますが、耐寒性や耐暑性はキャベツよりもはるかに強いという特徴があります。種まきから収穫まで約2か月と比較的成長が早く、家庭菜園やコンテナでも育てやすい野菜として人気があります。

作型は主に2通り。春まきで初夏に収穫する3〜7月を栽培期間とする方法と、秋まきで冬に収穫する8〜2月を栽培期間とする方法です。野菜としての主な旬は、5〜6月または11〜12月とされています。

栽培方法には、苗を作って畑に定植する移植栽培と、畑に直接播種して育てる直接栽培があり、直接栽培のほうが一般的です。土壌は有機質に富み、排水が良く、適度に保水力がある土地が適しています。ただし連作障害があるため、キャベツやブロッコリー、ナバナなどアブラナ科作物を1〜2年作っていない土地で栽培する必要があります。

収穫適期は、株の根元の球が直径5〜7センチメートルごろのまだやわらかい時期。外皮が灰緑色になるまで収穫時期を逸すると肉質がかたくなるため、遅れないように注意が必要です。冷涼な条件下で育て、水分や肥料を充分に与えて成長肥大を促すと、良質な収穫物が得やすくなります。

品種の多様性と色の違い

コールラビの品種は、熟度から早生種、中生種、晩生種に分けられ、皮の色から緑色種と紫色種(赤色種)に分類されます。

早生種は播種から60〜90日で収穫でき、球と葉片が小さく、葉数も少ないのが特徴で、主に春夏期に栽培されます。代表的な品種には「グランドデューク」「プリマ」「アーリーホワイトビエンナ」などがあります。アーリーホワイトビエンナは日本で最も多く栽培されている品種で、球茎は帯緑白色、肉は乳白色でやわらかく、播種後2〜3か月で収穫できます。

晩生種は播種から収穫まで120日以上かかり、球と葉が大きく葉数が多いのが特徴で、秋季栽培が多くなります。「ホワイトゴリアート」はドイツ種の晩生で、球茎は9センチメートル大の淡緑色または乳白色、肉は白色で非常にやわらかく、冬期間長く貯蔵できる品種です。

緑色種の代表には「ホワイトビエンナ」があり、日本への輸入先は主に欧米や中国産が多くなっています。紫色種には「パープルビエンナ」「パープルバード」「アーリーパープルビエンナ」などがあり、葉と球茎ともに紫色で肉は白色、耐寒性に優れる品種もあります。

「ギガント」(”Superschmelz”)という品種は、10センチメートル以上の大きさでも良い食感を保つ特徴があり、大きく育てたい場合に適しています。

生でも加熱でも楽しめる万能食材

コールラビの食べ方は実に多彩です。肥大した茎の皮はかたいため、厚めに剥いて白くやわらかい中身を食用にします。肥大茎にひびや傷がなく、張りツヤがあるものが良品とされています。

生食の場合は、薄切りにしてサラダとしてマヨネーズやドレッシングをかけて食べるのが一般的です。シャキシャキとした食感が楽しめ、クセのない淡泊な風味が他の野菜とも相性抜群。酢漬けや塩漬け、ピクルスなどにするのもおすすめです。

加熱するとやわらかくなり、ほのかな甘味が増します。肉やベーコンと合わせてシチューやコンソメなどの煮込み料理に使うと、煮くずれしにくい特性を活かせます。炒め物にも適しており、じゃがいもに似た食感が料理にアクセントを加えてくれます。

日本料理では、カブと同様に使われることが多く、おでんや煮物にも活用できます。フランス料理やイタリア料理でも活躍する、ちょっと不思議なお野菜として親しまれています。

葉の部分も食べられます。ドイツでは、ウサギやハムスターのえさとしても人気があるそうですが、人間が食べても問題ありません。茎葉を食べる習慣は、霜や乾燥に強いという特性から生まれたものです。

調理のポイントは、早めの収穫サイズのものを選ぶこと。育ちすぎると味が落ち、繊維質が増してかたくなってしまいます。直径5〜7センチメートル程度のものが最も美味しく食べられる大きさですね。

まとめ

コールラビは、地中海北部原産のアブラナ科野菜で、カブのような見た目をしていますが、実はキャベツやブロッコリーの仲間です。ドイツ語で「キャベツ」と「カブ」を組み合わせた名前が示すように、両者の特徴を併せ持つユニークな野菜と言えます。

地際の茎が球状に肥大する独特の成長をし、緑色系と紫色系の2種類があります。カブとキャベツを合わせたようなクセのない淡泊な風味で、生でも加熱でも楽しめる万能食材です。ブロッコリーの茎に似た甘みとシャキシャキとした食感が特徴で、サラダ、ピクルス、シチュー、炒め物など、幅広い料理に活用できます。

歴史的には、古代ギリシアの時代から存在していた可能性があり、中世にヨーロッパ各地に広がりました。ドイツやインドでは広く普及し、中国でも古くから栽培されてきました。日本へは明治初期に導入されましたが、当時は普及せず、近年になって再び注目を集めています。

栽培は比較的容易で、種まきから約2か月で収穫できます。冷涼な気候を好みますが、キャベツよりも耐寒性・耐暑性に優れており、家庭菜園でも育てやすい野菜です。旬は5〜6月または11〜12月で、直径5〜7センチメートル程度の若いうちに収穫するのが美味しく食べるコツです。

日本ではまだ珍しい野菜ですが、その独特の食感と淡白な風味、調理の多様性から、これからさらに人気が高まっていくことでしょう。新しい食材に挑戦したい方、西洋野菜に興味がある方は、ぜひ一度コールラビを試してみてはいかがでしょうか。

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