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カルグクスとは?韓国の手打ち麺料理の魅力を徹底解説

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はじめに

カルグクスは、韓国で愛され続ける伝統的な手打ち麺料理です。あっさりとしたスープに、もちもちとした食感の平打ち麺が特徴で、日本のうどんに通じる親しみやすさがあります。一方で、出汁の取り方や具材、食べ方には韓国独自の工夫が凝らされており、その奥深さはひとことでは語り尽くせません。

包丁で麺を切ることから「カル(包丁)グクス(麺)」と名付けられたこの料理。シンプルながらも素材の旨味を引き立てる構成は、どこか懐かしさを感じさせる味わいです。

包丁で作る麺、その名の由来

カルグクスという名前は、韓国語で「包丁」を意味する「カル(칼)」と「麺」を意味する「ククス(국수)」を組み合わせたものです。その名の通り、小麦粉をこねて薄く伸ばした生地を、包丁で細長く切って麺を作ります。

冷麺のように穴の開いた筒状の容器に生地を入れて押し出す麺とは異なり、包丁で一本一本切るという手間のかかる製法が採用されています。この手間こそが、カルグクス独特の食感を生み出しているのですね。

諸説ある起源、うどんとの関係

カルグクスの起源については、いくつかの説が存在し、定かではありません。

一つの説として、1600年代に書かれた朝鮮時代の料理書『閨壼是議方(キュゴンシウィバン)』に、カルグクスの起源となる麺料理の記録が見られるというものがあります。また、高麗時代(918年〜1392年)にはすでに存在していたと推測する見方もあります。

一方で、日帝強占期(1910年〜1945年)に朝鮮半島に入った日本人を通じてうどんが知られ、それが今日のカルグクスの起源となったという説もあります。さらに、日本のうどんの原型はカルグクスであるという主張も存在します。

うどんとカルグクス、どちらが先かという議論は尽きませんが、両者が文化的に深く関わり合っていることは間違いなさそうです。歴史を紐解くと、奈良時代に遣唐使が中国から持ち帰った小麦粉のお菓子「混飩(こんとん)」が、うどんの起源とされる説もあります。麺料理のルーツをたどる旅は、意外なほど複雑で興味深いですね。

うどんとの違い、スープにとろみが生まれる理由

カルグクスは日本のうどんによく似ていますが、決定的な違いがあります。それは、麺をスープで直接茹でるという調理法です。

うどんは麺を別に茹でますが、カルグクスは生麺や乾麺をスープの中で直接煮込みます。そのため、麺から溶け出したデンプン質がスープにとろみを付けるのです。このとろみが、スープの旨味を包み込み、口いっぱいに広がるコクを生み出します。

また、日本のうどんより細く、食感は柔らかめ。コシを重視する日本のうどん文化とは異なり、カルグクスでは柔らかな口当たりが好まれる傾向にあります。もちもちとした食感は残しつつも、喉越しの良さを大切にしているのですね。

地域ごとに楽しむバリエーション

カルグクスには、地域や季節に応じた様々なバリエーションが存在します。

代表的なものの一つに、「パッカルグクス」があります。これは小豆(パッ)を使った麺料理で、小豆で作ったスープにカルグクスの麺を入れたものです。名前の頭に「パッ」がつくことで、小豆の麺料理であることが分かります。

また、スープのベースも地域によって異なります。鶏肉で出汁を取る地域があれば、イワシや貝類、昆布を使う地域もあります。塩味で仕立てる店もあれば、醤油で味を調える店もある。それぞれの地域や家庭が、独自の味を守り続けているのですね。

素材の旨味を引き立てる具材たち

カルグクスの具材は、派手さを求めず、素材そのものの旨味を引き立てる構成になっています。

一般的に使われるのは、エホバク(애호박、韓国のズッキーニ)、玉ねぎ、あさり、鶏肉、卵、韓国海苔など。出汁を取る際に使用した鶏肉をそのまま具として活かしたり、刻み海苔を散らして香りを添えたりと、無駄のない工夫が凝らされています。

薬味には刻みネギが定番。シンプルですが、これがスープの風味を一段と引き立てます。エホバクや椎茸を加えることも多く、それぞれの甘みや香りがスープに溶け込み、深みのある味わいを演出します。

味付けは控えめで、出汁の風味が主役。素材本来の味を大切にする韓国の食文化が、ここにも息づいています。

家庭で味わう、伝統の調理法

カルグクスの麺作りは、意外なほどシンプルです。小麦粉と塩、水を練って生地を作り、薄く伸ばしてから包丁で切ります。レシピによっては、ごま油や卵を加えることもあり、それぞれの家庭や地域に受け継がれる味があります。

スープは、イワシや貝類、昆布、鶏肉などで出汁を取ります。これに塩または醤油で味を調え、麺を直接スープの中で茹でていくのです。麺が茹で上がる頃には、スープにとろみが付き、濃厚な旨味が完成します。

家庭で作る際は、市販のカルグクス用の麺を使うのも一つの手。うどんの麺で代用することもできますが、少し細めの麺を選ぶと、より本格的な食感に近づけます。

まとめ

カルグクスは、韓国の伝統的な手打ち麺料理として、長く愛され続けてきました。包丁で切った平打ち麺が特徴で、スープで直接茹でることで生まれるとろみが、独特の食感と味わいを生み出します。

起源については諸説あり、定かではありませんが、現在では韓国独自の食文化として定着しています。シンプルながらも素材の旨味を引き立てる具材や、地域ごとのバリエーションなど、その奥深さは探求すればするほど魅力的です。

温かいスープに麺が泳ぐ姿は、どこか懐かしさを感じさせるもの。ぜひ、機会があれば本場の味を体験してみてください。きっと、その優しい味わいに心が癒されるはずです。

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