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はじめに
カリッとした衣の食感とジューシーな肉汁が口いっぱいに広がる「鶏の唐揚げ」。お弁当のおかずからおつまみ、メインディッシュまで、幅広いシーンで愛される日本の国民食です。中国から伝わった調理法が日本で独自の発展を遂げ、今や和食を代表する料理の一つとなりました。この記事では、鶏の唐揚げの歴史や特徴、基本の作り方から、プロ顔負けの仕上がりにするコツまで徹底解説します。
鶏の唐揚げの定義と概要
鶏の唐揚げとは、鶏肉(主にもも肉)に下味をつけ、小麦粉や片栗粉をまぶして高温の油で揚げた料理です。日本では単に「唐揚げ」と言えば、一般的に鶏肉を使ったものを指しますが、魚介類や野菜を同様に調理したものも唐揚げに含まれます。
鶏の唐揚げの特徴は、外はサクッと香ばしく、中はジューシーな食感にあります。醤油ベースの下味が染み込んだ鶏肉の旨味と、カリッとした衣の食感が絶妙なハーモニーを奏でる、日本人の味覚に合った料理です。

起源と歴史 ※諸説あり
鶏の唐揚げの起源は、江戸時代初期に中国から伝来した普茶料理の調理法にあります。当初の「唐揚げ」は現在の形とは異なっていましたが、日本で独自の発展を遂げました。
鶏の唐揚げが外食メニューとして初めて登場したのは1932年(昭和7年)頃で、東京の食堂「三笠」が銀座一丁目の鶏料理専門支店で営業不振を打開するために考案した「若鶏の唐揚げ」が始まりとされています。
第二次世界大戦後、日本政府の政策によって多くの養鶏場が作られ、美味しい鶏肉の食べ方が模索される中で、鶏の唐揚げは徐々に広まっていきました。特に大分県中津市は「鶏のから揚げの聖地」として知られ、60店以上の唐揚げ専門店が軒を連ねています。また、同じく大分県の宇佐市には、日本初の鶏の唐揚げ専門店「来々軒」があり、「唐揚げ専門店発祥の地」として認知されています。
現在では、家庭料理としても外食メニューとしても定着し、コンビニエンスストアやスーパーのお惣菜コーナーでも定番商品となっています。
主要な特徴
なぜ唐揚げには鶏肉が最適なのか
鶏肉が唐揚げに最適な理由は、以下の3つの特性を併せ持つからだとされています。
- 柔らかさを保持する性質: 豚肉や牛肉と比べて、鶏肉はコラーゲンの量が少ないため、高温で加熱しても食感が柔らかいままです。
- 高い水分量: 鶏肉は水分量が多いため、油で揚げると肉の中に閉じ込められた水分がジューシーな食感を生み出します。
- 低温でも溶けやすい脂: 鶏肉の脂は低温でも溶けやすい性質があるため、冷めても美味しく食べられます。これはお弁当のおかずとして重宝される理由の一つです。

唐揚げの食感と味わい
鶏の唐揚げの魅力は、外側のカリッとした衣と内側のジューシーな肉質のコントラストにあります。醤油、ニンニク、生姜などの下味が染み込んだ鶏肉の旨味と、高温の油で揚げることで生まれる香ばしさが絶妙に調和しています。
レモンを搾ったり、お好みのソースをつけたり、様々な食べ方で楽しまれています。
地域による違いや変種
中津からあげ(大分県中津市)
大分県中津市の「中津からあげ」は、地域ブランドとして確立されています。特徴は、醤油ベースの下味に加え、にんにくと生姜をしっかり効かせ、サイズが小ぶりで食べやすいこと。衣は薄めで、カリッとした食感が特徴です。
宇佐からあげ(大分県宇佐市)
同じく大分県の宇佐市の唐揚げは、中津からあげと並ぶ名物です。日本初の唐揚げ専門店「来々軒」があることでも知られています。宇佐からあげは、やや大きめにカットした鶏肉を使い、しっかりとした味付けが特徴です。
ザンギ(北海道)
北海道の「ザンギ」は、鶏の唐揚げの北海道版とも言える料理です。下味に醤油だけでなく、味噌や酒、砂糖なども加えることが多く、やや甘めの味付けが特徴です。また、衣に片栗粉だけでなく小麦粉も使うことが多いため、やや厚めの衣になります。
竜田揚げとの違い
「竜田揚げ」は唐揚げの一種ですが、下味に醤油と酒、みりんを使い、衣には片栗粉のみを使用するのが一般的です。唐揚げよりも薄い衣で、より肉の味わいを楽しむ料理と言えます。
一般的な材料と特徴
基本の材料
- 鶏肉: もも肉が一般的ですが、むね肉を使うこともあります。もも肉は脂肪分が適度にあり、ジューシーに仕上がります。
- 下味: 醤油、酒、ニンニク、生姜が基本です。塩麹や味噌を使うバリエーションもあります。
- 衣: 片栗粉、小麦粉、または両方を混ぜたものを使います。片栗粉は軽い食感に、小麦粉はカリッとした食感になります。
- 揚げ油: サラダ油や菜種油など、クセの少ない油が適しています。
下味のバリエーション
- 基本の醤油ベース: 醤油、酒、ニンニク、生姜
- 塩麹仕立て: 塩麹を使うことで、肉が柔らかくなり、うま味が増します
- カレー風味: カレー粉を加えることで、スパイシーな風味に
- レモン風味: 下味にレモン汁を加えることで、さっぱりとした風味に

本来の伝統的な調理法と技法
基本の調理手順
- 肉の下処理: 鶏もも肉は一口大に切り、余分な脂や筋を取り除きます。
- 下味付け: 醤油、酒、すりおろしニンニク、すりおろし生姜などを混ぜた調味液に鶏肉を漬け込みます。最低でも30分、できれば1〜2時間漬け込むと味がよく染み込みます。
- 衣付け: 漬け込んだ鶏肉の余分な液体を軽く切り、片栗粉や小麦粉をまぶします。
- 揚げる: 160〜180℃の油でじっくりと揚げます。最初は中温(160℃程度)で揚げ始め、途中で高温(180℃程度)にすると、中はジューシーに、外はカリッと仕上がります。
プロ顔負けの仕上がりにするコツ
- 肉を常温に戻す: 冷蔵庫から出した鶏肉は、調理前に常温に戻すことで、中まで均一に火が通りやすくなります。
- サイズと形: 大きめのサイズにカットし、丸めて揚げることで中に水分を閉じ込め、肉汁溢れるジューシーな仕上がりになります。
- 二度揚げ: 一度揚げた後、少し休ませ余熱で火を通してから再度高温で揚げると、より香ばしく、カリッとした食感に仕上がります。

まとめ
鶏の唐揚げは、中国から伝わった調理法が日本で独自の発展を遂げた、まさに和食の代表格と言える料理です。外はサクッと、中はジューシーという絶妙な食感と、醤油ベースの下味が染み込んだ旨味が特徴で、老若男女問わず愛される国民食となっています。
大分県の中津市や宇佐市など、地域によって特色ある唐揚げが発展し、それぞれに独自の魅力を持っています。また、家庭でも比較的簡単に作れることから、日本の家庭料理としても定着しています。
基本の材料と調理法を押さえつつ、下味や衣のバリエーションを工夫することで、自分好みの唐揚げを追求できるのも魅力の一つです。ぜひ、この記事で紹介したコツを参考に、カリカリジューシーな鶏の唐揚げに挑戦してみてください。
さいごに
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