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山と海の食材がひと皿の中にある「豚フィレ肉のロティ ムール貝とレモンのバターソース」に合わせたワインは?

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フランス・ボルドーの中でも海寄りの格付けシャトーの白ワイン

豚肉もムール貝も好きなので、今回の料理がどのような工程で完成していくのか、とても楽しみにしながら「豚フィレ肉のロティ ムール貝とレモンのバターソース」のレシピと動画を拝見しました。そしてこれらの食材、調理法を念頭に置きながらペアリングの分析を始めていきます。

今回のペアリングでまず注意するべき点として、豚肉とムール貝が同じお皿に使用されていることを考えました。肉と魚介、つまり「山と海」のように、二つのテロワールを考慮して、どちらの個性も同時にとらえるアイテムをセレクトする必要があります。

それを前提として、パセリ、松の実、レモン、バター等、主となる食材との相性を考慮しながら考えた結果、グリーンや柑橘のフレーヴァーを持ち、レモンのような酸、海にも近いエリアを考え、注目した産地がフランスのボルドー地方でした。

#1 豚のフィレとバラの味わい、まろやかな食感

豚フィレ肉のうま味とやわらかさ、バラ肉の香ばしさと脂質。こちらには赤ではなく、ややしっかりとした個性をもつ白ワインが相性が良いと考えました。コクと旨味、わずかなタンニン(渋み)を感じる白ワインを念頭に置き、他の要素を含めて考えていきます。

#2 たっぷりのパセリと松の実の風味

たっぷりのパセリからくるグリーンのフレーヴァーと心地よい苦味、そして松の実の香ばしさと風味を考慮して考えた結果、まさに香草の香りを感じるソーヴィニヨン・ブランを主体とした白ワイン、そして樽熟成をしたスタイルを生産するエリア、生産者を連想していきました。

#3 ムール貝の旨味、レモンの酸味とバターのバランス

海のニュアンスに合わせて、海洋性気候由来のミネラルを感じ、レモンのような酸味をもつワインを生むブドウ品種から造られ、バターを使用する文化を持つ国。これら全ての要素に当てはまるワインをさらに絞り込んでいきます。

ワインペアリングの提案

先述した3つのポイントを全て満たすアイテムとして私が選んだのが、フランス・ボルドー地方のなかでもより海に近いメドックの格付けシャトーが造る白ワイン「シャトー・タルボ カイユ・ブラン」。ブドウ品種はソーヴィニヨン・ブラン*¹を主体にセミヨン*²をブレンド。樽での熟成を経てリリースされる秀逸なワインです。

シャトー・タルボ カイユ・ブラン
Chateau Talbot Caillou Blanc
生産者 シャトー・タルボ Chateau Talbot
生産者のサイトはこちら ▶https://www.chateau-talbot.com/jp/
購入はこちら ▶https://item.rakuten.co.jp/ledled/1-ch-talbot-c-b2017/

*¹ソーヴィニヨン・ブラン:フランスのボルドー地方原産のブドウ品種で、現在は世界各地で栽培され、多くの場合、爽やかな辛口白ワインが造られます。フランスの他、ニュージーランドやチリが有名な産地として挙げられています。ソーヴィニヨン・ブランから造られるワインの香りは、栽培される地域の気候によって、フレッシュな柑橘フルーツから甘くトロピカルな香りまで幅があるが、共通してハーブのニュアンスを感じます。冷涼な気候においては、しっかりとした酸味を持つ傾向があるのが特徴です。

*²セミヨン:セミヨンは、フランスのボルドー地方が原産とされる白ワイン用ブドウ品種。甘口から辛口まで幅広いタイプの白ワインがこの品種から造られています。一般的には強いアロマと高い酸を持つソーヴィニヨン・ブランとブレンドされます。セミヨンとソーヴィニヨン・ブランをブレンドして造られるボルドーの「ソーテルヌ」は、世界三大貴腐ワインの一つであり、類稀なる長期熟成をする世界最高峰の甘口ワインとして有名です。

豚フィレ肉のロティ ムール貝とレモンのバターソース h.b.シェフ

豚フィレ(ヒレ)肉は、背中の内側にある棒状の赤身の部位で、やわらかくきめの細かい肉質が特徴です。これを豚バラ肉で包み、過去2回のレッスンよりも高い庫内温度で、出し入れの間隔を短く繰り返すのは、外側のバラ肉だけを加熱し、その熱で間接的にやさしくフィレ肉に火を入れたいためです。繊細な火入れに挑戦してみましょう。

連載
「料理がさらにおいしくなるワインペアリング~話したくなるペアリングのポイント」
田邉公一/ワインディレクター
シェフレピのメニュー1品に対して合うワインの提案を具体的な商品案内を含めて紹介します。記事内では、料理から導き出せるペアリングの3つのポイントをもとに、田邉さんがワインを提案。「料理と合う理由」を知ることで、実際に料理と一緒に飲んだときの感度が数段あがるはずです。簡潔にポイントがまとまっているからこそ、食卓を囲む人とともにそのポイントを話しながら楽しむことも可能。食事とワインによってさらに会話が進む。そんな豊かな食卓を、ペアリングを通して提案していきます。

Koichi Tanabe
ワインディレクター。ザ・リッツ・カールトン東京開業時よりソムリエを務め、在職中、フランス パリの二つ星レストラン「サンドランス」で研修。その後、フランスへの短期留学を経験し、フランス各地のワイナリーを訪問。レコール・デュ・ヴァン専任講師を経て、2012年 レストラン「L’AS」のオープンと同時に同店のシェフ・ソムリエに就任。

現在は、「タイソンズ アンド カンパニー」「ロワン」「ヘルマナス714」「麻布とさか」「マイアム ワイン」等のレストランやワインショップ、サイト、イベントのワイン、飲料の監修を手掛ける。ワインスクール「レコール・デュ・ヴァン」講師兼ワイン・SAKEディレクター。第6回キュヴェ・ルイーズポメリーソムリエコンテスト優勝。

2022年11月公開の映画「シグナチャー」にソムリエ役として出演予定。2022年5月に、シェフレピのワインアドバイザーに就任した。

【資格】
日本ソムリエ協会認定 ソムリエ
日本ソムリエ協会認定 SAKE DIPLOMA
日本ソムリエ協会認定 SAKE DIPLOMA INTERNATIONAL
WSET Level3 Advanced Certificate
フランス語検定準2級

【経歴】
2005年 第6回 ロワールワインソムリエコンクール ファイナリスト
2007年 第6回 キュヴェ・ルイーズポメリーソムリエコンテスト 優勝
2014年 全日本最優秀ソムリエコンクール クォーターファイナリスト
2019年 SAKE DIPLOMAコンクール 全国セミファイナリスト

田邉さんSNS
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