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焦げたニュアンスにオレンジやカカオなどの要素もある「マリネしたラムランプ肉のロースト カカオとコショウのブール・ノワゼット・ソース」に合わせたワインは?

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樽熟成由来のスモーキーなフレーヴァーのスペインの赤ワイン

マリネしたラムランプ肉のロースト カカオとコショウのブール・ノワゼット・ソース」は、ラムのローストにブール・ノワゼットのソース、一見王道のフレンチを想わせますが、ラムをオレンジでマリネしたりソースにカカオを加えたりと、h.b.シェフならではのオリジナリティを感じ、味わうのが楽しみになる料理です。ペアリングの精度を高めるポイントもそこにあると考えています。

まずはメイン食材となるラムに焦点を当てつつ、オレンジやチリパウダー、コショウの風味を考慮しながら「焦がしたニュアンス」に同調することが大きなポイントと考えました。

ワインで焦がした要素を表現するのは樽のロースト感。しっかりとした樽のニュアンスを感じるワインを造る産地、生産者。オレンジでマリネしたラムとの相性を考えて注目した産地は、スペインのバレンシア周辺エリアでした。

#1 オレンジとパプリカパウダー、チリパウダーでマリネしたラムの味わい

ラムのマリネに使用したオレンジとパプリカ、チリパウダーのもつ要素、そしてラム自体のもつ味わいの個性に相性の良いワインとして、スペインの地中海沿いのバレンシア周辺エリアで有名なブドウ品種「モナストレル*¹」から生まれる赤ワインを連想しました。

#2 ニンジンのローストの甘味と香ばしさ

先に挙げたスペインのモナストレルから造られる赤ワインには、不思議とほのかなオレンジのニュアンス、そしてニンジンの風味にも同調する香りと味わいの要素が感じられます。そのニンジンの甘味とローストによる香ばしさに同調すると考えました。

#3 ラムとカカオとコショウのブール・ノワゼットソースの焦がしたニュアンス

あえて焦がしめをつけたラム、そしてカカオとコショウ、ブール・ノワゼット。これらはまさにロースト香のしっかりとした、黒系果実の香りを感じる赤ワインを連想させる。先のポイントを考慮しながら、黒果実のニュアンスと樽のロースト香のあるワインを造る秀逸な生産者が浮かび上がってきます。

ワインペアリングの提案

上記3つのポイントを全て考慮して考えた答えは、スペイン フミーリャの赤ワイン「フアン・ヒル シルバー・ラベル」。樽熟成由来のスモーキーなフレーヴァー、ラムの脂質に緻密なタンニンが重なり味わいをさらに引き出していく。ローストしたニンジンの味わいにもとてもよく合います。

フアン・ヒル シルバー・ラベル
Juan Gil Silver Label
生産者 ボデガス・ファン・ヒル Bodegas Juan Gil
生産者のサイトはこちら ▶ https://firadis.co.jp/product/producer-info/?producerid=645
購入はこちら ▶ https://firadis.net/item/41.html

*¹モナストレル:スペイン原産の黒ブドウ品種。南フランスのローヌ地方やプロヴァンス地方、スペイン・地中海沿岸のバレンシアやフミーリャ、オーストラリアの南オーストラリア州やニューサウスウェールズ州などで栽培されています。オーストラリアではグルナッシュ種やシラー種とともに「GSM」と呼ばれ、ブレンド用の一品種として用いられることが多いです。

マリネしたラムランプ肉のロースト カカオとコショウのブール・ノワゼット・ソース/h.b.シェフ

ランプは、腰からお尻にかけてのやわらかく風味のある部位です。ラム(仔羊)肉の骨付きロースや肩ロースは、最近スーパーでも見るようになりましたが、ラムランプはなかなか見かけません。まさにプロ向けの食材です。このラムランプ肉を、表面は焦がしながら中はしっとりに焼き上げます。ポイントは「マリネしてから肉を焼く」です。

連載
「料理がさらにおいしくなるワインペアリング~話したくなるペアリングのポイント」
田邉公一/ワインディレクター
シェフレピのメニュー1品に対して合うワインの提案を具体的な商品案内を含めて紹介します。記事内では、料理から導き出せるペアリングの3つのポイントをもとに、田邉さんがワインを提案。「料理と合う理由」を知ることで、実際に料理と一緒に飲んだときの感度が数段あがるはずです。簡潔にポイントがまとまっているからこそ、食卓を囲む人とともにそのポイントを話しながら楽しむことも可能。食事とワインによってさらに会話が進む。そんな豊かな食卓を、ペアリングを通して提案していきます。

Koichi Tanabe
ワインディレクター。ザ・リッツ・カールトン東京開業時よりソムリエを務め、在職中、フランス パリの二つ星レストラン「サンドランス」で研修。その後、フランスへの短期留学を経験し、フランス各地のワイナリーを訪問。レコール・デュ・ヴァン専任講師を経て、2012年 レストラン「L’AS」のオープンと同時に同店のシェフ・ソムリエに就任。

現在は、「タイソンズ アンド カンパニー」「ロワン」「ヘルマナス714」「麻布とさか」「マイアム ワイン」等のレストランやワインショップ、サイト、イベントのワイン、飲料の監修を手掛ける。ワインスクール「レコール・デュ・ヴァン」講師兼ワイン・SAKEディレクター。第6回キュヴェ・ルイーズポメリーソムリエコンテスト優勝。

2022年11月公開の映画「シグナチャー」にソムリエ役として出演予定。2022年5月に、シェフレピのワインアドバイザーに就任した。

【資格】
日本ソムリエ協会認定 ソムリエ
日本ソムリエ協会認定 SAKE DIPLOMA
日本ソムリエ協会認定 SAKE DIPLOMA INTERNATIONAL
WSET Level3 Advanced Certificate
フランス語検定準2級

【経歴】
2005年 第6回 ロワールワインソムリエコンクール ファイナリスト
2007年 第6回 キュヴェ・ルイーズポメリーソムリエコンテスト 優勝
2014年 全日本最優秀ソムリエコンクール クォーターファイナリスト
2019年 SAKE DIPLOMAコンクール 全国セミファイナリスト

田邉さんSNS
Instagram▶︎https://instagram.com/koichi_wine
Twitter▶︎https://twitter.com/tanabe_duvin
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