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多彩なスパイスとアニスの独特の清涼感が絶妙な「ハイデラバーディ チキンカッチ ビリヤニ」に合わせたワインは?

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クオリティが高い南フランスを代表する生産者の白ワイン

ハイデラバーディ チキン カッチ ビリヤニ」が出来上がった時の印象として、スペインの有名な料理であるパエリアが思い浮かびました。

サフランの風味がしっかりと感じられ、そこにホールスパイスを中心とした多彩なスパイスの要素とアニスの独特の清涼感が加わり絶妙なバランス。主素材であるチキン、そしてカシューナッツの味わい、それぞれがバランスよく調和している。

料理の主素材であるチキンを意識しつつ、サフランとアニスの風味、そして付け合わせのライタを含めて考えると、地中海沿岸エリアのワイン産地が思い浮かびました。今回使用されている食材全体から考えると白ワインが良いと考え、地中海沿岸エリアでなおかつ白ワインのクオリティが高いエリア、そしてサフランやアニス、ミルクやヨーグルトとの相性を考慮した上で注目したのが南フランスです。

#1 チキンとカシューナッツ

チキンは蒸し焼き状態に仕上がっていることから、樽のニュアンスのないワインを連想。チキンのまろやかな旨味と質感、カシューナッツのクリーミーさを伴うナッティなニュアンス、その色調から、まろやかかつクリーミーな要素を持つ白ワインをイメージです。

#2 サフランミルクとヨーグルト

サフランを使った料理というと、スペインでは「パエリア」、フランスでは「ブイヤベース」がまず頭に浮かぶ。双方が生まれた場所に共通しているのが地中海性気候に属していること。ワインも地中海エリアで探すことがセオリーだと考えました。ミルク、そしてチキンのマリネと付け合わせのライタに使用されているヨーグルト。つまりもう一つのポイントとして乳製品にスポットを当て、乳酸のニュアンスを持つ白ワインに絞っていきました。

#3 ホールスパイスとアニス

その他にも、この料理の中でひときわ存在感を放つ存在として、ホールスパイスとアニスがあります。このスパイスとアニスのフレーヴァーに同調できるのは、アロマティックなタイプの品種で、なおかつスパイスやアニスで有名な暖かい土地で育まれるブドウから造られたワイン。さらにはさまざまなスパイスと相性の良いまろやかな果実味とミルキーな味わいを持つワインを連想しました。

ワインペアリングの提案

特におすすめしたいワインは、南フランス コート・デュ・ローヌ地方を代表する生産者「ポール・ジャブレ」の白ワイン「ポール・ジャブレ エネ ヴィオニエ」です。

ヴィオニエのワインは北部ローヌのものが有名ですが、こちらはローヌ地方南部を中心に、南フランスの地中海性エリアのブドウから造られていて、今回のお料理と特に相性が素晴らしく、コストパフォーマンスも抜群。ぜひお試しいただきたいペアリングです。

ポール・ジャブレ エネ ヴィオニエ Paul Jaboulet Ainé Viognier
生産者 ポール・ジャブレ Paul Jaboulet
生産者のサイトはこちら ▶http://www.jaboulet.com/Website/site/fra_prehome.htm
購入はこちら ▶https://item.rakuten.co.jp/wineuki/0111002000292/

*¹ヴィオニエ:フランスのコート・デュ・ローヌ地方原産の白ブドウ品種。比較的温暖なエリアで栽培される。ピーチやアプリコットのようなアロマティックな香りとまろやかな味わいが特徴の白ワインを生み出す。基本的に白ワインを醸造するために用いられますが、地域によっては赤ワインを造る際に、黒ブドウ品種と混合して醸造する手法である混醸が行われることもあり、ワインのスタイルに影響を与えている。

ハイデラバーディ チキン カッチ ビリヤニ
稲田俊輔シェフ

ハイデラバードは、ビリヤニで知られるインド中南部の都市で、ハイデラバード風(ハイデラバーディ)といえば、マリネした肉と米を一緒に蒸し焼きにするのが特徴です。生の鶏肉から炊き上げるため「カッチ(生)」という言葉がついています。ビリヤニの古典的な作り方ですので、ビリヤニ作り初体験にピッタリのレッスンです。

連載
「料理がさらにおいしくなるワインペアリング~話したくなるペアリングのポイント」
田邉公一/ワインディレクター
シェフレピのメニュー1品に対して合うワインの提案を具体的な商品案内を含めて紹介します。記事内では、料理から導き出せるペアリングの3つのポイントをもとに、田邉さんがワインを提案。「料理と合う理由」を知ることで、実際に料理と一緒に飲んだときの感度が数段あがるはずです。簡潔にポイントがまとまっているからこそ、食卓を囲む人とともにそのポイントを話しながら楽しむことも可能。食事とワインによってさらに会話が進む。そんな豊かな食卓を、ペアリングを通して提案していきます。

Koichi Tanabe
ザ・リッツ・カールトン東京開業時よりソムリエを務め、在職中、フランス パリの二つ星レストラン「サンドランス」で研修。その後、フランスへの短期留学を経験し、フランス各地のワイナリーを訪問。レコール・デュ・ヴァン専任講師を経て、2012年 レストラン「L’AS」のオープンと同時に同店のシェフ・ソムリエに就任。

現在は、「タイソンズ アンド カンパニー」「ロワン」「ヘルマナス714」「麻布とさか」「マイアム ワイン」等のレストランやワインショップ、サイト、イベントのワイン、飲料の監修を手掛ける。ワインスクール「レコール・デュ・ヴァン」講師兼ワイン・SAKEディレクター。第6回キュヴェ・ルイーズポメリーソムリエコンテスト優勝。

2022年11月公開の映画「シグナチャー」にソムリエ役として出演予定。2022年5月に、シェフレピのワインアドバイザーに就任した。

【資格】
日本ソムリエ協会認定 ソムリエ
日本ソムリエ協会認定 SAKE DIPLOMA
日本ソムリエ協会認定 SAKE DIPLOMA INTERNATIONAL
WSET Level3 Advanced Certificate
フランス語検定準2級

【経歴】
2005年 第6回 ロワールワインソムリエコンクール ファイナリスト
2007年 第6回 キュヴェ・ルイーズポメリーソムリエコンテスト 優勝
2014年 全日本最優秀ソムリエコンクール クォーターファイナリスト
2019年 SAKE DIPLOMAコンクール 全国セミファイナリスト

田邉さんSNS
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