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魚にビネガーとオリーブオイル、多くの人がイメージするバスク料理といえる「アジのビルバオ風」に合わせたワインは?

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海の香りと爽やかで旨味のあるドライなスペインの白ワイン

メインとなるアジはもちろん、ジャガイモとタマネギの蒸し焼き、そしてビネガーとオリーブオイルがしっかりと使われているところも、「アジのビルバオ風」の大きな特徴であり、私がイメージするバスクの料理そのものという印象をまず受けました。レシピカードの料理の写真や食材のリストを見ている段階からすでにお腹が空いてきます。

まずは温帯海域の魚であるアジが中心の料理であること、そしてビルバオ風という郷土色がはっきりと出ていることを意識して考えると、やはり生産国はスペインであることを前提に、その中でも海に近いエリアの良質なワインを生産する産地に注目しました。

#1 焼いたアジの風味と食感

アジをフライパンで両面焼きにしてからオーブンで焼き上げますが、火を入れすぎることなく、香ばしさもありながらふっくらとやわらかく仕上がっています。アジ本来の風味がしっかりと感じられ、食感もソフト。合わせるワインは爽やかさと共にほどよいコクとまろやかさがあることを意識します。

#2 蒸し焼きにしたジャガイモとタマネギの旨味

付け合わせの主役となるジャガイモとタマネギのオイル蒸し焼き「パナデラ」。蒸し焼きにしたジャガイモとタマネギの旨味がオーブン調理によって引き出されています。アジを含め、こちらに関してもタイプは白ワインが相性が良いと考え、ややオイリーさをともないつつ爽やかさとコクとうま味を感じるアイテムを連想して絞っていきます。

#3 酸味のきいたたっぷりのオイルソース

白ワインビネガーの爽やかな酸味、たっぷりのオリーブオイル。これらに対して相性のバランスが良いと考えられるのは、地中海性気候の熟したブドウから生まれたフレッシュな酸味をもつ白ワイン。ガーリックの風味に負けない個性を持ち、しっかりと同調することも条件となります。

ワインペアリングの提案

田邊さんが実際に作った「アジのビルバオ風」。

シンプルに定番をいうと、バスクの有名なワイン「チャコリ」となりますが、さまざまな面を考慮して最終的に私が選んだのは、スペインの海のワイン、リアス・バイシャスの「ビオンタ アルバリーニョ*」。まさに海の香りが感じられる、爽やかでうま味のあるドライな白ワイン。熟度の高い果実のニュアンス、若干スモーキーさもあり、アフターフレーヴァーには磯のニュアンスと塩味をともなう。この料理の香りや味わいにピッタリと重なり、お互いの風味をさらに広げてくれます。

ビオンタ アルバリーニョ
Vionta Albarino
生産者 ロジェール フェルナンデス Roger Fernandez
生産者のサイトはこちら ▶https://www.suntory.co.jp/wine/special/nueva/vionta/
購入はこちら ▶https://cave-online.suntory-service.co.jp/shopdetail/000000006269/

*アルバリーニョ:イベリア半島の北西部を原産地で、スペインの白ブドウを代表する高貴な品種と言われています。果皮が厚いため多湿な環境でも病害に強い品種です。スペインのガリシア地方やポルトガルのミーニョ地方の土着品種で、長年この地方でのみ栽培されてきましたが、近年は日本の新潟県や大分県でも栽培されるようになりました。アルバリーニョから造られる白ワインは、産地が海の近くであることや魚介料理との相性が特に良いことから、“海のワイン”とも呼ばれています。

連載「料理がさらにおいしくなるワインペアリング~話したくなるペアリングのポイント」
田邉公一/ワインディレクター
シェフレピのメニュー1品に対して合うワインの提案を具体的な商品案内を含めて紹介します。記事内では、料理から導き出せるペアリングの3つのポイントをもとに、田邉さんがワインを提案。「料理と合う理由」を知ることで、実際に料理と一緒に飲んだときの感度が数段あがるはずです。簡潔にポイントがまとまっているからこそ、食卓を囲む人とともにそのポイントを話しながら楽しむことも可能。食事とワインによってさらに会話が進む。そんな豊かな食卓を、ペアリングを通して提案していきます。

開いたアジを焼いて食べるのは、バスク地方では定番。バスク最大の都市・ビルバオでは野菜と一緒にオーブンで焼いて、ビネガーとニンニクオイルを利かせて食べます。ビネガーにニンニクなどを効かせたオイルソースをサルサ・ビルバイーナ(ビルバオ風ソース)ともいい、アジ以外でもイワシやタイなど魚料理によく合います。ジャガイモとタマネギのオイル蒸し焼き「パナデラ」(パン屋の意味)も1品料理として再チャレンジできます。

Koichi Tanabe
ワインディレクター。ザ・リッツ・カールトン東京開業時よりソムリエを務め、在職中、フランス パリの二つ星レストラン「サンドランス」で研修。その後、フランスへの短期留学を経験し、フランス各地のワイナリーを訪問。レコール・デュ・ヴァン専任講師を経て、2012年 レストラン「L’AS」のオープンと同時に同店のシェフ・ソムリエに就任。

現在は、「タイソンズ アンド カンパニー」「ロワン」「アフリカ―」「麻布とさか」「マイアム ワイン」等のレストランやワインショップ、サイト、イベントのワイン、飲料の監修を手掛ける。ワインスクール「レコール・デュ・ヴァン」講師兼ワイン・SAKEディレクター。第6回キュヴェ・ルイーズポメリーソムリエコンテスト優勝。

2022年11月公開の映画「シグナチャー」にソムリエ役として出演予定。2022年5月に、シェフレピのワインアドバイザーに就任した。

【資格】
日本ソムリエ協会認定 ソムリエ
日本ソムリエ協会認定 SAKE DIPLOMA
日本ソムリエ協会認定 SAKE DIPLOMA INTERNATIONAL
WSET Level3 Advanced Certificate
フランス語検定準2級

【経歴】
2005年 第6回 ロワールワインソムリエコンクール ファイナリスト
2007年 第6回 キュヴェ・ルイーズポメリーソムリエコンテスト 優勝
2014年 全日本最優秀ソムリエコンクール クォーターファイナリスト
2019年 SAKE DIPLOMAコンクール 全国セミファイナリスト

田邉さんSNS
Instagram▶︎https://instagram.com/koichi_wine
Twitter▶︎https://twitter.com/tanabe_duvin
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